理学療法士にはコミュニケーション能力が治療技術よりも大切という話

こんばんは!リハ助マンだ。
本日は理学療法士にとって最も大切なのはコミュニケーション能力だという話をしたいと思う。
新人や学生に時に1度はぶち当たる課題ではないだろうか?先輩やバイザーに「声が小さい。」「質問はもう終わりか?」と言われ、なかなかコミュニケーションがうまく取れないということは無かっただろうか?今日はそんなコミュニケーション能力について書いていく。

理学療法士に必要なコミュニケーション能力は2つある

コミュニケーションというとどうしても患者さんとの信頼関係構築の手段というイメージを持ってしまいがちだが、決してそれだけではない。もう一つは治療を行う上で問題点を探っていく手段だ。

①コミュニケーションは信頼関係構築の手段

先ほど述べたように、コミュニケーションは患者や利用者との信頼関係を構築する手段である。私がコミュニケーション能力が臨床において最も大切だと思っているのは「信頼関係」を築くためだ。

そして、リハ助マンが意識していることは「初回リハビリ時に相手の心をつかむ」こと。

これができれば後々のリハビリの成果にも繋げられると思う。
まずは「相手を知ること」
趣味・仕事・服装・外見・年齢などから、相手の情報をキャッチする。

<事例>
肩関節周囲炎のパッと見た印象はやや怖めの40代男性が夜診で来院され、初回リハビリとなった。この時、相手は無口。質問には答えてくれるがあまり、反応は良くない。
表情がかなり疲れている様子だったので、あまり初対面の人には言わないであろう「お疲れですか?」という問いをした。正直見た目がそう見えるだけで、実は全然疲れていないかもしれない。でも、何かを打開せねばという思いで、その問いを選択した。

すると、手で顔を覆いながら「せやねん。今日も朝が早くて、重いもの持つ仕事やから疲れたわ。」との反応が返ってきた。
この反応があれば、もうこっちのものだ。
それから、仕事のことを聴いたり、痛みが出る時などの問診をすすめることができた。

これは単なる1例だが、コミュニケーションにより相手の心を少し垣間見れたときだった。

初回に相手のことを知れると後は次回リハビリの時に「今日はちょっと表情いいですね!」とか「今日も疲れてますね。。」など、会話のとっかかりになる。すると、患者は気にかけてくれていると思うかもしれない。

相手の気持ちを理解して、興味を示すことは非常に重要になる。

②コミュニケーションは問題点を探るための手段

会話の基本構造は「質問」「傾聴」「承認」だ。
リハビリを始める時、まずは評価から始めると思う。
その目的は問題点を見つけること。その第一手段として「問診」がある。
問診はかなり重要な項目で、これは立派なコミュニケーション能力であると言える。
質問をしながら、傾聴し、承認し、また質問→傾聴→承認→質問。。。という感じで話は進んでいく。

受傷機転を聴いたり、いつから痛いのか、どうしたら痛いのか、などなど問診をしていき、だいたいの問題点を絞っていく。
これで、ほとんどの原因や問題点を推測できるだろう。そして、さらに触診などを行い、問題点を明確にする。

これが基本的な評価だと思うが、その中でもしっかりと問題点を深堀りしていくために必要なのが問診を上手くしていくコミュニケーション能力だと私は思う。

理学療法士に必要なコミュニケーション能力の具体的な方法

では実際にコミュニケーションをどのように取るかと言うと以下がある。

よく喋る患者の場合

  • 笑顔・微笑み
  • アイコンタクト
  • うなずき
  • あいづち

基本的に相手が主導で話す場合はこの4つで事足りる。
その間に、少し質問を入れて興味を示す。
すると、患者はまたさらに話を広げてくれる。

自らあまり喋らない患者の場合

患者さん自らあまり喋らない場合に結構失敗してしまうことが多い。
これは学生や新人によくやってしまう。
何をやってしまうかと言うと、「自分の話をして、何とか会話をしようとする。」
これはなんでダメかというと、患者はあなたのことなんか別に興味ないよ?ってことを伝えたい。

私にも後輩がいるが、後輩に対して「あの先生、自分のことばっかりしゃべるねん」とかいうプチクレームを受けることがある。さらには、その時に手が止まっているケースもあるらしい。

患者自身があまり喋ろうとしない場合は、こちらから積極的にいかなくても良い。
質問を少しして、相手が食いついて話してくれば良いが、無理にこちらから話を広げる必要はない。喋りたかったら患者は自ら話し出す。

これは患者の表情や雰囲気をみれば、感じ取れることだと思うので、空気を読めるようにならないといけない。

でも実際はコミュニケーションを取るのが苦手な理学療法士や学生が多い

実際の臨床や実習ではコミュニケーションが苦手な人は一定数いる。
では、そういう人たちはどうすれば良いのか?

結論:コミュニケーションの場を増やす

結局は経験不足により、コミュニケーションが苦手な場合が多い。身内や仲の良い友達とはよく喋るけど、その他の人とは…という人はまさにこれだと思う。

では、どうすれば良いかというと、コミュニケーションを取らなければならない場所に行く。
例えば、学生なら接客業のアルバイトとか、新人のセラピストだとグループワークのある勉強会に行くなど。

私も喋りは得意なほうではない。ではどうしたかと言うと、グループワークなどで自ら司会進行役を買って出るとか、どうしてもコミュニケーションを取らないといけない状況を作った。そうすると、少しずつ慣れてきた。

でも実際は、そんなに難しく考えることは無くて、臨床経験を積めば自ずとコミュニケーション能力は向上する

医療はサービス業だから仕事でコミュニケーション能力が向上するというのが、現実。
なので、焦ることない。

楽しく臨床をこなしてくれ!!

理学療法士にとってコミュニケーション能力は臨床技術よりも大切

理学療法士はどうしても、治療技術を重視する傾向がある。確かに治療技術は大切だが、それだけでは患者は納得しない。

なぜかというと、信頼関係では臨床では何よりも大切だから。そして、医療保険や介護保険でリハビリをしていると、1回で治りました!とかそんなことはほとんどない。クリニックだとたまにあるが…

回復期なら半年くらいの付き合いになることもあるし、訪問なら年単位ってこともよくある。そんな時に、患者さんはどう思うかと言うと、一緒にリハビリして楽しいとか、心地よいというセラピストにリハビリをしてくれることを好む。

私の後輩でも、私より治療技術はあるけど、担当変更を申し出されたケースはある。合う合わないがある世界だからしょうがないが、それを防ぐためにはコミュニケーションは大切になる。

信頼関係が構築されると、治療効果も相乗効果で向上していく。というのが私の持論だ。

理学療法士にとってコミュニケーション能力は大切のまとめ

今回は理学療法士のコミュニケーション能力について書いてみた。実際のところコミュニケーションって難しい。でも、しっかりと相手を観察し、共感していると自ずと相手に寄り添ったコミュニケーションができると思う。
あくまでも、自分中心にはならないように気を付けて欲しい。
そして、コミュニケーションがうまく行って信頼関係が上手く築けると臨床や実習はさらに楽しくなると思う。

リハ助マン
さぁ、一緒に臨床を楽しくしていこう!!
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