理学療法士と作業療法士はどっちになった方がいい?

今回の記事は進路を迷っている学生や社会人として就職した後に進学を検討している人に向けて書いた。進学を考える時、必ず悩むことが理学療法士と作業療法士どっちが良いかだ!!
私はリハ助マンといい、理学療法士歴10数年の中堅ベテランだ。なので、私が理学療法士として働いた経験を元に理学療法士と作業療法士のどちらが良いかをお伝えしていく。

【結論】理学療法士と作業療法士はどっちになるべき?

というわけで、結論を述べたいと思う。

【結論】どっちでも良い!!

私の結論はどっちでも良いと思う。これだけだと話が終わってしまうので、その理由を3つ解説していこう。

国家試験合格率・就職率が大きく変わらない

理学療法士と作業療法士の合格率は年によって変わるが、平均すると80%くらいに落ち着くと思う。
若干、作業療法士の方が少し低い傾向はあるが、大きくは変わらないだろう。
これらは2018年度の国家試験の合格率だ。

第54回 理学療法士国家試験

受験者数合格者数合格率
理学療法士12,605人10,809人85.8%
うち新卒者10,608人9,845人92.8%

 

第54回 作業療法士国家試験

受験者数合格者数合格率
作業療法士6,358人4,531人71.3%
うち新卒者5,137人4,108人80%

昨年は作業療法士は少し難しかったらしい。

年々、進学のハードルが下がっていて、学生の能力が低くなっているので合格率も低下してきているのかもしれない。
私が国家試験受けた時よりは、明らかに難しくなっているが…

でも正直、国家試験は入学して死ぬほど勉強すれば必ず合格できる。

やらない奴は絶対に落ちる。セラピストになるのってそんなに簡単じゃないから。

就職率も変わらない

2020年の現状はまだまだPTOT共に就職率は100%だろう。選らなければ。

就職の選択肢も以前よりも増えているし、需要の方が多いので安心してくれ。
2040年になった時は、正直分からないが、それまでは大丈夫なハズだ!!

給料が変わらない

この項目が一番気になるかもしれない。

これも、答えは同じになるが、理学療法士と作業療法士の給料はほぼ変わらない。
同じ勤務地で変わることはほとんど無いと思って大丈夫。

PTOT共に平均年収は400万円だ。

初任給は300万円台がほとんど。手取り20万前後というところだろうか。
ちなみに私の年収は本業PTで600万円だ。
整形外科クリニック勤務のトップだとこれくらいかな?

でも、600万以上を稼ごうと思うとなかなかハードル高いので、病院で働いてそれ稼ぐのは難しいと思っていた方が良いだろう。

つまり理学療法士でも作業療法士でも、給料は変わらない。
個人として変えられるとすれば、資格を取ってからのキャリア設計だろう。

どちらもリハビリ専門職

はっきり言って患者さんは理学療法士だろうが作業療法士だろうが、特段気にしていない。

なぜなら、両方ともリハビリをしてくれる人という認識でいるからだ。

なので、リハビリ専門職として、やることは患者さんの願いを叶えてあげること。
ロマンティックこと言ってんじゃね!!

って思うかもしれないが、これがリハビリ専門職として一番楽しいことであり、忘れてはいけないことだ。

実際に、回復期病棟なんかでリハビリをしてもらっている患者さんは「リハビリは朝1回と昼から1回来てくれるよ。」って返答をすることが多い。
「理学療法士が朝から来て、作業療法士の方が昼から来てくれる」なんて言い方する人はほとんどいない。

さらに、訪問リハビリテーションは、訪問リハビリというように括られていて、リハビリ内容も両方のことをすることがよくある。

理学療法士・作業療法士には得意分野がある

これまでの内容を見ていると、理学療法士・作業療法士どっちも同じなんだというように思うが、それは患者さんの感じ方の話。厳密には法律で定められている内容が違って、得意な分野がそれぞれあるので、それを紹介していこう。

理学療法士は運動器系・痛み系が得意

まず、理学療法の定義を見てみよう。

身体に障害のある者に対し、主としてその基本的動作能力の回復を図るため、治療体操その他の運動を行なわせ、及び電気刺激、マッサージ、温熱その他の物理的手段を加えることをいう

日本語理学療法士協会より引用

というように、身体に障害にある方に対して、基本動作「寝返る、起きる、座る、起立、経つ、歩くなど」の動きを改善するので、土台作りをするのが仕事。

その中には、痛みがあって動けない人もいれば、力が無くなって動けない人、関節が動かなくて動けない人もいる。なので、理学療法士は痛みを取ったり、運動機能を回復させるのが得意な専門職だ。

なので、スポーツ分野なんかも理学療法士が多いので、そちらの道に進みたい人は理学療法士が良いだろう。

作業療法士は生活系・精神系が得意

作業療法の定義

作業療法は、人々の健康と幸福を促進するために、医療、保健、福祉、教育、職業などの 領域で行われる、作業に焦点を当てた治療、指導、援助である。作業とは、対象となる人々 にとって目的や価値を持つ生活行為を指す。

日本作業療法士協会より引用

定義の最後にあるが、「生活行為」という言葉がある。その通りなんだが、生活するには作業が必要だよな?例えば、仕事をするのにパソコンを使わないといけないが使えない。じゃあ、なんで使えないのかっていうのを考えて、治療や指導をしていって、使えるようにするってのが作業療法だ。
私は理学療法士なので、間違っていたらすまん(笑)

また、以前は定義をみると分かるが、精神分野も作業療法が多く関わっていたので、今でも精神疾患の患者さんに作業療法を行うことも多くある。

引用元:https://www.pt-ot-st.net/index.php/topics/detail/882

この定義の改定は日本作業療法士協会の定義なので、法律的には現行のままだが、今後の流れとしては法律的にも変わってきそうだな。

こんな感じで、理学療法士・作業療法士ともにそれぞれ専門性がある。
あなたはどっちを目指したいのか考えて選べば良いと思う。

理学療法士と作業療法士はどっちになるべき?のまとめ

気になる理学療法士と作業療法士の比較では、国家試験合格率・就職率、給料に大きな差はなく、病院で働けば、どちらもリハビリ専門職として見られることは分かったと思う。
なので、やはり決め手は得意分野の内容になるのではないだろうか?運動系に興味があるなら理学療法士で良いし、生活系に興味があるなら作業療法士を選べば良いと思う。どちらの職種も今は進学が簡単な時代なので、お好きな方をどうぞ^^

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