理学療法士を辞めたいあなたへ|15年目PTが本音で語る「後悔しない順番」

「理学療法士 やめたい」。この言葉で検索して、このページにたどり着いたんですよね。

それだけで、いまのあなたがどれくらい疲れているか、だいたい想像がつきます。仕事終わりの電車の中か、休日の布団の中か。周りには言えないから、スマホにだけ本音を打ち込んだんだと思います。

先に言っておくと、この記事はあなたを引き止めません。「もう少し頑張ろう」とも言いません。かといって「今すぐ辞めちゃえ」と煽ることもしません。理学療法士を15年以上やって、辞めたい夜を何度も越えてきて、いまは採用する側として転職者を受け入れてもいる私が、後悔しない順番だけを整理して置いていきます。

目次

やめたいと思うのは、あなたが弱いからではない

まずここをはっきりさせておきます。理学療法士が「やめたい」と感じる理由は、だいたい構造の問題です。あなた個人の弱さの問題ではありません。

  • 給料が上がらない:国家資格を取って、毎日勉強して、それでも昇給は年数千円。同世代の会社員と差が開いていく明細を見る瞬間は、何年目でもこたえます。
  • 毎日同じ景色に見える:単位を取って、記録を書いて、また単位を取る。気づけば「リハビリの仕事」ではなく「単位を消化する仕事」をしている感覚になる日があります。
  • 人間関係が狭い:リハ室という小さな箱の中で、合わない上司や先輩と毎日顔を合わせる。職場の人間関係は、狭いほど逃げ場がなくなります。
  • 責任と報酬が釣り合わない:人の身体と人生を預かる仕事なのに、その重さが給料にも社会的な扱いにも反映されていないと感じる。

どれか一つでも「それ」と思ったなら、あなたの感覚は正常です。むしろ真面目に働いてきた人ほど、この壁には正面からぶつかります。

15年やってきた私にも、やめたい夜は何度もあった

偉そうに書いていますが、私自身、15年のあいだにはっきり覚えているだけで3回、本気で辞めたいと思っています。

1回目は3年目。結婚を考えたタイミングでした。給料明細を眺めながら、「この収入で家庭を持てるのか」と初めて真剣に計算して、青くなりました。仕事は嫌いじゃない。でもこの給料では先に進めない。悩んだ末に、私は訪問看護ステーションのPTに転職しました。結果から言うと、給料の悩みはこれでほぼ解決しました。「やめたい」の正体がお金なら、職場を変えるだけで景色が変わる。それを身をもって知った転職でした。

2回目は7年目。今度はお金ではなく、上司でした。どれだけ頑張っても、なぜか意地悪をされる。頑張るほど風当たりが強くなる時期があって、本気で心が折れかけました。このとき私を救ってくれたのは、意外な場所でした。当時、副業としてアルバイトをしていたもう一つの職場から、「うちに来ないか」と声をかけてもらったんです。そのまま転職。実は、それがいまの職場です。腐りかけていた自分の働きぶりを、ちゃんと見てくれている人が本業の外にいた。副業は収入源であると同時に、逃げ道と出会いも作ってくれる。私がこのサイトで副業を勧め続けている理由の半分は、この実体験です。

3回目は、それからだいぶ経って、後輩を育てる立場になったころ。またしても人間関係です。ただこのときは、辞めるのでも転職するのでもなく、配置転換という形で環境を変えて乗り切りました。10年以上この仕事をやっていても、辞めたくなる夜は来ます。経験年数は「やめたい」のワクチンにはなりません。そして、対処の選択肢は年数とともに増えていきます。

並べてみて気づきませんか。3回とも、理由が違うんです。お金、上司、人間関係。そして3回とも、「理学療法士という仕事そのもの」が嫌いになったわけではありませんでした。いま振り返って分かるのは、「やめたい」は故障のサインではなく、計器の警告灯だったということです。警告灯は無視し続けると本当に壊れますが、正しく読めば「どこを直せばいいか」を教えてくれます。

「やめたい」の中身をほどくと、答えが変わる

「やめたい」とひとことで言っても、中身は人によって違います。そして中身が違えば、正しい処方箋も違います。あなたの「やめたい」はどれに近いでしょうか。

「やめたい」の正体本当の問題効く選択肢
給料が安い職場の給与体系・収入源が1本給与水準の高い職場への転職/副業で収入源を足す
職場がつらい(人間関係・残業)その職場異動・転職。理学療法士を辞める必要はないことが多い
仕事内容に飽きた・興味を失った分野のミスマッチ分野替え(回復期→訪問など)/一般企業への転身も視野
体力・家庭と両立できない働き方時短・非常勤・訪問など働き方の変更
朝起きられない・涙が出る心身の限界転職活動より先に、休むこと・受診(後述)

大事なことを言います。「職場がつらい」を「理学療法士に向いていない」と翻訳しないでください。私は採用側として転職してくる人をたくさん見てきましたが、前の職場で潰れかけていた人が、環境が変わっただけで見違えるように働くケースは、めずらしくもなんともありません。

辞めていい。ただし「勢いで辞める」だけは損をする

辞めること自体は、まったく悪くありません。ただ、採用側の立場から一つだけ現実的な話をさせてください。

退職してから焦って探す人は、条件面で確実に不利になります。収入が途切れている焦りは、面接でも伝わりますし、「早く決めたい」気持ちが妥協につながります。逆に、在職中に情報を集めて「いつでも辞められる状態」を作った人は、交渉でも面接でも余裕があります。この差は、受け入れる側から見ていてはっきり分かります。

だから順番はこうです。辞表はいちばん最後。先に情報、次に準備、最後に退職。「いつでも辞められる」というカードを持った瞬間から、いまの職場のストレスが不思議と軽くなる、というおまけもついてきます。

ただし、心が限界のサインが出ているなら話は別

ここまで「順番を守ろう」と書いてきましたが、例外があります。

  • 朝、身体が起き上がらない日がある
  • 理由もなく涙が出る
  • 眠れない、または寝ても休んだ気がしない
  • 休日も仕事のことが頭から離れず、食欲が落ちている

こうしたサインが出ているなら、転職サイトを開くより先に、休んでください。心療内科や精神科の受診は、あなたが医療職なら分かるはずです。早いほど回復も早い。職場には休職という制度もあります。キャリアはあとからいくらでも立て直せますが、健康はそうはいきません。この記事のここから先は、回復してから読めば十分です。

今夜からできる、次の一歩3つ

1.在職中に「情報だけ」集め始める

転職するかどうか決めていなくても、情報収集は始めていいんです。求人を眺めるだけで「自分の市場価値」と「よその職場の相場」が見えてきて、いまの職場を客観的に評価できるようになります。エージェントの選び方と使い方は、採用側の視点も入れて理学療法士の転職サイト・エージェント本音比較にまとめました。在職中・登録無料・職場に知られない、の3条件は満たせます。

2.職場は変えずに、収入源を1本足す

「やめたい」の正体がお金なら、転職より先に副業という手もあります。私はこちらの道で人生が変わった側の人間です。月数万円でも収入源が2本になると、「この職場しかない」という追い詰められた感覚が消えます。理学療法士におすすめの副業8選で、実際にやってきたものだけを紹介しています。

3.「理学療法士以外の自分」も一度調べてみる

仕事内容そのものに興味を失っているなら、リハ職以外の世界を覗いてみるのも手です。医療機器メーカー、介護系企業、ITなど、理学療法士からの転身ルートは実際にあります。調べた結果「やっぱり臨床が好きだ」と気づいて戻ってくる人も多い。どちらに転んでも、視野が広がること自体があなたの武器になります。

よくある質問

「石の上にも三年」と言われました。3年は続けるべきですか?

年数で決めるものではないと思います。学べる環境で成長している3年と、心をすり減らすだけの3年は別物です。判断基準は年数ではなく、「この職場で1年後の自分が良くなっているイメージが持てるか」。持てないなら、動く準備を始めていい時期です。

辞めたら後悔しませんか?

後悔する辞め方と、しない辞め方があります。私が見てきた範囲では、後悔するのはほぼ「勢いで辞めて、焦って次を決めた人」です。在職中に比較して、納得して移った人の後悔はほとんど聞きません。辞めるかどうかより、辞め方の順番が後悔を決めます。

次が決まっていないのに辞めるのはダメですか?

心身が限界なら、次が決まっていなくても辞める(休む)のが正解です。それ以外の場合は、収入と気持ちの余裕のために在職中の活動をおすすめします。生活費の蓄えが数ヶ月分あるかどうかも、判断材料にしてください。

まとめ:「やめたい」は、人生を変えるスタートの合図

「やめたい」と検索した今日を、私は悪い日だと思いません。現状に違和感を持てたということは、変わる準備ができたということだからです。

やめたいの中身をほどいて、順番を守って、小さく動き始めてください。職場を変えるでも、収入源を足すでも、まず休むでもいい。この気持ちを無視して明日も同じ毎日に戻ることだけが、唯一のハズレです。

行動すれば、何でもできます。私はこのサイトで、その手伝いをしています。

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この記事を書いた人

リハ助マンのアバター リハ助マン 現役理学療法士(運動器認定PT・ケアマネ)

理学療法士歴10年以上の現役PT。臨床・訪問リハビリ・後輩教育・実習指導を経験し、運動器認定理学療法士・ケアマネジャーの資格を保有。本業のかたわらアルバイト・ブログ・Web制作などの副業を実践中。理学療法士の収入・キャリア・働き方を、経験にもとづいて本音で発信しています。

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