「今月から、利用料っていくらになりますか?」――訪問の現場で、利用者さんやご家族からこう聞かれて、すっと答えられずに困ったことはありませんか。
介護報酬や診療報酬は改定のたびに単位数や加算の仕組みが変わります。単位数に地域単価を掛けて、負担割合を掛けて、加算を足して……と、電卓片手に計算するのは正直かなりの手間です。私も訪問リハの現場で、単位数表とにらめっこしながら冷や汗をかいた経験が何度もあります笑
しかも令和8年度は、診療報酬の改定に加えて、6月には処遇改善加算の期中改定もありました。「また変わったの?」とため息をつきたくなる気持ち、よく分かります。
この「改定のたびに料金説明が大変」問題を何とかしたくて、現役PTである私が、タップだけで自己負担額を計算できるツールを自作しました。この記事では、訪問リハ・訪問看護の料金計算機3つをまとめて紹介します。すべて無料・登録不要・スマホ対応です。
訪問リハビリ料金計算機(介護保険)
訪問リハビリ(介護保険)の自己負担額を計算するツールです。要介護(308単位/回)・要支援(298単位/回)の両方に対応しています。
使い方はシンプルで、週の訪問回数と時間をタップするだけ。月額の自己負担額と、加算ごとの内訳がリアルタイムで表示されます。対応している加算・減算は次のとおりです。
- リハビリテーションマネジメント加算(イ/ロ・医師による説明)
- 短期集中系の加算、移行支援加算
- サービス提供体制強化加算、口腔連携強化加算、退院時共同指導加算
- 診療未実施減算、要支援の12月超減算(-30単位/回)
令和8年6月の期中改定で見直された処遇改善加算(1.5%)にも対応済みです。料金表を紙で渡すだけでは、加算まで含めた実際の負担額はなかなか伝わらないもの。画面を見せながら「〇〇さんの場合はこの金額です」と示せると、説明の説得力が変わります。
訪問看護料金計算機(介護保険)
訪問看護(介護保険)の自己負担額を計算するツールです。要介護・要支援に対応し、看護師の訪問とPT・OT・STの訪問を同時に入力できるのがポイントです。「看護師が週1回、PTが週2回」のような混合パターンも、そのまま月額を出せます。
現場で判断に迷いやすい理学療法士等減算(-8単位/回)は、入力した条件から自動で判定して警告を表示してくれます。「この利用者さん、減算の対象になる?」という、あの微妙に答えにくい問題を、条件を入れるだけで確認できるわけです。事業所種別(訪問看護ステーション/病院・診療所)を切り替えると、単位数も自動で切り替わります。
処遇改善加算は1.8%(2026年6月〜)に対応しています。
訪問看護料金計算機(医療保険)【新登場】
シリーズ最新作、医療保険の訪問看護に対応した計算機です。医療保険は介護保険と料金の構造が大きく違ううえ、管理療養費のように「月の初日」と「2日目以降」で金額が変わる項目もあり、手計算のハードルは一段上がりますよね。
令和8年度の診療報酬改定に対応しており、管理療養費は月の初日7,710円+2日目以降3,010円(戸建て等・区分イ)、訪問看護ベースアップ評価料(Ⅰ)1,050円/月で計算します。
週3日を超える訪問を入力すると、別表7・別表8や特別訪問看護指示書の要件について警告が出る仕組みになっています。24時間対応体制・特別管理・ターミナルケアといった主要な加算にも対応しました。
現場での活用場面
3つとも入力はタップだけで、画面下部のバーに自己負担額が常時表示されます。加算ごとの単位数・金額の内訳まで確認できるので、単なる合計金額の計算にとどまらず、いろいろな場面で使えます。
利用者さん・ご家族への料金説明
「週2回に増やすと、いくらになりますか?」という質問に、その場でスマホを出して、一緒に画面を見ながら答えられます。内訳が表示されるので、「この加算は何のお金?」という疑問にもその場で説明しやすくなります。
ケアマネジャーさんとの連携
サービス担当者会議の前や、回数変更の相談を受けたときに、変更後の概算をさっと共有できます。「持ち帰って計算してから折り返します」が減るだけで、やり取りはかなりスムーズになります。ケアマネジャーさん自身が、給付管理の前のざっくりした見込みづくりに使うのもありだと思います。
新人教育・スタッフの勉強
加算を一つずつオン・オフすると、自己負担額がどう動くかが目に見えます。報酬の仕組みはテキストで読むと頭に入りにくいですが、触りながら覚えると理解が早いです。「サ提って結局いくらなの?」と聞かれたら、口で説明するより画面を触ってもらうほうが早いかもしれません。新人さんやリハ学生さんへの説明用としてもおすすめです。
ご利用にあたっての注意
計算結果は、あくまで目安としてご利用ください。実際の料金は、地域区分や事業所の体制、利用者さんの負担割合などの条件によって変わります。正確な金額は、必ずご利用の事業所にご確認ください。
利用者さんやご家族へ説明する際も、「概算ですが」とひとこと添えたうえで、最終的な金額は請求書や事業所への確認で案内するのが確実です。計算機は「その場でだいたいの金額感を共有するための道具」と考えていただくのがちょうどいい距離感だと思います。
まとめ:料金説明は「その場でタップ」で済ませよう
改定のたびに頭を悩ませてきた料金説明も、計算機があればその場で答えられるようになります。訪問リハのセラピスト・訪問看護師・ケアマネジャーと、立場は違っても「料金の質問にすぐ答えたい」という悩みは共通のはず。3つのツールはこちらです。
すべて無料・登録不要で、スマホのホーム画面に追加しておけばいつでも使えます。同じように料金説明で困っている同僚の方がいたら、ぜひ教えてあげてください。「この加算にも対応してほしい」といったご要望も、お問い合わせから気軽に送っていただけるとうれしいです。
