「理学療法士や作業療法士は、国家資格なのに給料が上がりにくい」と感じる人は少なくありません。
結論から言うと、PT・OTは一気に大きく稼ぐ職業ではありません。ただし、収入が増えないと決まっているわけでもありません。今の職場での昇給、役職、転職、非常勤、副業を分けて考えると、現実的な選択肢が見えてきます。
私は理学療法士として働きながら、非常勤やWeb系の副業も長く経験してきました。この記事では、当時の古い報酬単価や「誰でも簡単に稼げる」という話ではなく、今も使える考え方に絞って整理します。
理学療法士・作業療法士の給料が伸びにくい3つの理由
1.売上が診療報酬・介護報酬の影響を受ける
病院や介護事業所の収入は、国が定める診療報酬・介護報酬の影響を強く受けます。自由に価格を決められる仕事ではないため、1人の療法士が勤務時間内に生み出せる売上には限界があります。
そこから設備費、家賃、社会保険料、事務部門の人件費なども支払われます。臨床件数だけを増やせば、そのまま給与が大幅に上がるわけではありません。
2.経験年数だけでは評価が上がりにくい
経験を重ねても、毎年の昇給幅が小さい職場はあります。資格取得や研修参加も専門性を高めるうえでは大切ですが、資格手当や役職手当につながるかは勤務先によって異なります。
頑張りが収入へ反映される仕組みがあるかは、就業規則、賃金規程、人事評価制度で確認する必要があります。
3.同じ職場にいるだけでは市場価値が見えにくい
長く同じ職場で働いていると、自分の経験がほかの職場でどのように評価されるのか分かりにくくなります。管理、教育、訪問、地域連携などの経験は、職場が変わると評価されることもあります。
まずは理学療法士・作業療法士の年収と収入を上げる方法も参考に、現在地を把握してみてください。
最初に確認したい「今の職場に5年いた場合」
転職や副業を急ぐ前に、今の職場で5年後の給与がどうなるかを計算します。見るポイントは次のとおりです。
- 過去数年の昇給額
- 役職に就く条件と手当
- 資格手当・業務手当の有無
- 賞与の算定方法
- 副業・兼業に関する就業規則
先輩の給与を直接聞きにくい場合も、就業規則や賃金規程なら確認できます。昇給の仕組みが曖昧なら、人事担当者や上司へ確認するのも一つの方法です。
PT・OTが収入を増やす5つの方法
1.現職で役割を広げる
管理、後輩教育、学生指導、業務改善、地域連携などを担当し、評価される役割を増やす方法です。ただし、責任だけが増えて手当がほとんど変わらないケースもあります。役割を引き受ける前に、評価基準と待遇を確認しましょう。
2.条件の合う職場へ転職する
基本給、賞与、年間休日、通勤時間、残業、教育体制をまとめて比較します。月給だけが高くても、業務量や固定残業代によっては働きやすさが下がることがあります。
すぐに退職する必要はありません。求人を見たり、転職支援サービスへ希望条件を伝えたりするだけでも、自分の市場価値と選択肢を確認できます。
どのサービスをどう使うかは、「採用する側」も経験した立場で書いた転職サイト・エージェント本音比較が参考になるはずです。
PTOT人材バンクは公式サイトへの通常リンクとして案内しています。転職支援サービスを使う場合は、紹介された求人をそのまま決めず、雇用条件を自分でも確認してください。
3.非常勤・アルバイトを組み合わせる
本業を続けながら収入源を増やす方法です。臨床経験を生かしやすい一方、休息が減り、本業に影響するリスクがあります。就業規則を確認し、無理のない勤務回数から始めることが大切です。
探し方や注意点は、理学療法士・作業療法士のアルバイトの探し方で詳しく解説しています。
4.臨床以外の副業を育てる
ブログ、Webライティング、資料作成、Web制作など、臨床とは別のスキルを育てる方法です。収入になるまで時間はかかりますが、体力だけに依存しない働き方につながります。
候補を比べたい人は、理学療法士におすすめの副業も参考にしてください。
5.支出と手取りを見直す
収入を増やすことだけでなく、社会保険、税金、通勤費、研修費まで含めて手元に残る金額を考えます。副業では経費や確定申告の管理も必要になるため、売上と手取りを混同しないようにしましょう。
収入アップで失敗しないための順番
- 現在の年収・労働時間・昇給条件を確認する
- 5年後に希望する収入と働き方を決める
- 現職、転職、非常勤、副業の選択肢を比較する
- 生活や本業を崩さない小さな行動から始める
私自身、非常勤やWebの仕事を経験して分かったのは、収入源を増やすほど管理することも増えるという点です。焦って全部を始めるより、目的に合う方法を一つずつ試すほうが続きます。
よくある質問
- 理学療法士・作業療法士は本当に儲からないのですか?
-
一気に高収入を得やすい職種とはいえませんが、勤務先、役割、働き方によって差があります。「職種だから無理」と決める前に、昇給条件と市場価値を確認しましょう。
- 資格を取れば給料は上がりますか?
-
資格そのものでは上がらない職場もあります。資格手当、配置要件、昇進条件に反映されるかを勤務先へ確認してください。
- 転職と副業はどちらを先に考えるべきですか?
-
本業の条件が大きく改善できそうなら転職、現在の職場を続けたいなら副業が候補です。どちらも、就業規則と生活への負担を確認してから進めましょう。
- 副業で月5万円は簡単に稼げますか?
-
勤務回数、時給、スキル、案件によって異なり、簡単とは限りません。収入を保証する表現は避け、継続できる時間と目標額から逆算することが大切です。
まとめ
PT・OTの給料が伸びにくい背景には、報酬制度、昇給の仕組み、職場ごとの評価差があります。一方で、現職での役割、転職、非常勤、Web系副業など、収入を増やす方法は一つではありません。
まずは今の条件と5年後を数字で確認し、自分が守りたい働き方に合う方法を一つ選んでみてください。将来への備え方は、理学療法士の将来性と今からできる対策にもまとめています。
