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理学療法士の転職サイトやエージェントの比較記事は、世の中にたくさんあります。ただ、そのほとんどは「転職する側」の視点、しかも実際には使ったことのないライターさんが書いたものです。
この記事は少し違う立場から書いています。私は理学療法士として15年以上働いてきましたが、現在は採用にも関わる立場として、主要な転職サービスを日常的に使い、実際にそれぞれのサービス経由で採用に至った経験があります。つまり、「求職者としての目線」と「あなたの応募書類を受け取る側の目線」の両方から、各サービスの実態をお話しできます。
結論:迷ったら「特化型+大手」の複数登録が基本
先に結論です。転職サービスは1つに絞る必要はなく、むしろタイプの違うものを2〜3個併用するのが、採用側から見ても合理的な使い方です。理由は単純で、施設側もすべてのサービスに求人を出しているわけではないからです。1つのサービスしか見ていないと、あなたに合う求人が最初から選択肢に入らないことがあります。
| サービス | タイプ | 求人数の目安※ | 対応エリア | 向いている人 |
|---|---|---|---|---|
| PTOT人材バンク | エージェント型 | 約7.2万件(PT約3万件) | 全国 | リハ職特化の情報量で選びたい人 |
| PT・OT・ST WORKER | エージェント型 | 約2.1万件 | 全国 | 求人の選択肢を広く持ちたい人 |
| マイナビコメディカル | エージェント型 | 約6.3万件(医療技術職全体) | 全国 | 大手の安心感・書類添削重視の人 |
| レバウェルリハビリ | エージェント型 | 非公開 | 首都圏中心 | 職場の雰囲気など内部情報を重視する人 |
| ジョブメドレー | サイト型(スカウトあり) | PT約2万件 | 全国 | 自分のペースで探したい人・電話が苦手な人 |
※求人数は2026年8月時点で各社の公式サイトに掲載されていた件数をもとにした目安です。職種の内訳や集計方法はサービスごとに異なるため、最新の正確な数は各公式サイトで確認してください。
目的別:どれに登録するか迷ったら
自分の状況に合わせて、次の組み合わせから選んでみてください。
- はじめての転職で、書類の書き方から不安 → マイナビコメディカル+PTOT人材バンク
- とにかく求人の選択肢を広く見たい → PTOT人材バンク+PT・OT・ST WORKER
- 首都圏で、職場の内情を確かめてから決めたい → レバウェルリハビリ+特化型をもう1社
- 転職するか迷っている・情報収集だけしたい → まずジョブメドレーで相場観をつかむ
どのパターンでも、タイプの違うものを2〜3個までにするのがおすすめです。増やしすぎると連絡の管理だけで疲れます。合わなければ退会すればいいだけなので、気楽に始めて大丈夫です(断り方と退会方法は記事後半のFAQにまとめています)。
エージェント型とサイト型の違いを、採用側の裏側から説明します
比較の前に、この業界の仕組みを知っておいてください。ここが分かると、各サービスの使い方が変わります。
エージェント型(PTOT人材バンク、WORKER、マイナビ、レバウェルなど)は、担当者があなたと施設の間に入る仕組みです。施設側は採用が決まると、紹介手数料をエージェント会社に支払います。これは想像以上に高額で、年収の2〜3割程度が相場です。つまり施設は「手数料を払ってでも人が欲しい」ときにエージェントを使います。急募や、なかなか埋まらないポジションがエージェント経由に出やすいのはこのためです。
サイト型(ジョブメドレーなど)は、求人掲載型で、あなたが直接応募します。施設側の採用コストが比較的軽いため、「急いではいないが良い人がいれば」という求人も載ります。担当者からの電話がない分、応募書類や面接対策は自分で仕上げる必要があります。
採用側からの本音を1つ言うと、エージェント経由でも直接応募でも、候補者本人の評価が変わることはありません。「エージェントを使うと施設に嫌がられるのでは」という心配は不要です。施設が気にしているのはコストの話であって、あなたの印象の話ではありません。
各サービスの実態レビュー
PTOT人材バンク:リハ職特化の情報量が武器
- 公開求人数:約7.2万件(PT約3万件・2026年8月時点)
- 対応エリア:全国
- 運営会社:株式会社エス・エム・エス(東証プライム上場)
介護・医療領域の大手エス・エム・エスが運営する、PT・OT・ST特化のエージェントです。特化型だけあって、リハ職の職場事情を前提にした話が通じやすいのが強みです。「回復期で単位数がどれくらいか」「訪問の移動手段は何か」といった、リハ職にしか通じない条件のすり合わせが最初からできます。
採用側として付き合った経験から言うと、特化型のエージェントは施設側の内情もよく把握しています。裏を返せば、あなたが担当者に伝えた希望条件は、かなり具体的に施設へ伝わります。希望は遠慮せず具体的に言ったほうが得です。
利用の流れは、登録(1分ほど)→電話かLINEでのヒアリング→求人紹介→書類・面接のサポート→内定・条件交渉、という順番です。面接の日程調整や条件交渉は担当者が代行してくれます。
ひとつ注意点を挙げると、レスポンスが早い分、登録直後は電話が続くことがあります。「連絡はLINE中心でお願いします」「平日の夜だけ」のように、連絡手段と時間帯を最初に指定しておくと、ストレスなく使えます。
より詳しい評判・デメリットへの対処法は、PTOT人材バンクの評判記事で解説しています。
PT・OT・ST WORKER:選択肢の広さで選ぶなら
- 掲載求人数:約2.1万件(2026年8月時点)
- 対応エリア:全国47都道府県
- 運営会社:株式会社トライトキャリア
医療・介護系の人材サービスを幅広く手がけるトライトグループのリハ職特化サービスです。保有求人が多く、地方の求人も比較的拾いやすい印象です。非公開求人(サイトに載せずエージェント経由でのみ紹介される求人)も含めて、まず選択肢を並べたい人に向いています。
エージェント型全般に言えることですが、担当者との相性は運の要素があります。連絡の頻度やペースが合わないと感じたら、我慢せず担当変更を申し出て大丈夫です。それで不利になることはありません。
面接への同行や条件交渉の代行まで対応してくれるので、「面接が苦手」「給与の話を自分から切り出しにくい」という人には心強いはずです。
より詳しい評判・使い方のコツは、PT・OT・ST WORKERの評判記事で解説しています。
>> PT・OT・ST WORKER(公式・無料)
マイナビコメディカル:書類と面接の支援は大手の安定感
- 公開求人数:約6.3万件(医療技術職全体・2026年8月時点)
- 対応エリア:全国47都道府県
- 運営会社:株式会社マイナビ
言わずと知れたマイナビグループの医療技術職向けサービスです。強みは、転職支援の型がしっかりしていること。履歴書・職務経歴書の添削や面接対策といった基本サポートの質が安定しています。転職が初めてで、書類の書き方から不安という人には合っています。
採用側の立場では、応募書類の完成度は正直に言ってバラつきが大きいです。添削を受けた書類は読めば分かります。書類で落ちる人の多くは経歴ではなく「書き方」で損をしているので、この支援は使い倒す価値があります。
添削を最大限活かすコツは、最初に出す職務経歴書を「数字」で書いておくことです。担当してきた疾患分野、1日の担当単位数、学生指導や委員会の経験。材料が具体的なほど、返ってくる添削の質も上がります。
より詳しい評判・書類対策の解説は、マイナビコメディカルの評判記事にまとめています。
レバウェルリハビリ:職場のリアル情報を重視する人へ
- 公開求人数:非公開
- 対応エリア:首都圏(東京・神奈川)中心
- 運営会社:レバウェル株式会社(2025年4月にレバレジーズメディカルケアから社名変更)
看護領域で実績のあるレバレジーズグループのリハ職向けサービスです。職場の雰囲気や人間関係といった「求人票に書いていない情報」の収集に力を入れているのが特徴で、転職理由が人間関係や職場環境の人とは相性が良いはずです。
リハ職向けとしては後発のサービスなので、求人数は地域差があります。だからこそ、ここ1本に絞るのではなく、特化型と組み合わせて「内部情報の裏取り役」として使うのが賢い位置づけだと思います。
なお、対応エリアは東京・神奈川・埼玉・千葉が中心です。該当エリアで転職を考えている人は、無料登録で求人と職場の内部情報を確認できます。
>> レバウェルリハビリ(公式・無料)
より詳しい評判・向いている人の解説は、レバウェルリハビリの評判記事にまとめています。
ジョブメドレー:自分のペースで探したい人の第一候補
- 理学療法士の求人数:約2万件(2026年8月時点)
- 対応エリア:全国47都道府県
- 運営会社:株式会社メドレー
医療介護職全般を扱う求人サイトで、エージェントの電話サポートがない代わりに、自分のペースで求人を探して直接応募できます。スカウト機能があり、プロフィールを登録しておくと施設側から声がかかることもあります。
採用側から見たジョブメドレーの特徴は、「急募ではないが良い人がいれば会いたい」という求人が載りやすいことです。エージェントの求人とは毛色が違うので、併用すると求人の全体像が見えます。電話のやりとりが苦手な人、まだ転職を迷っている段階の人は、まずここでプロフィール登録して相場観をつかむのがおすすめです。
プロフィールを登録してスカウトを待つだけでも、自分の経歴が市場でどう見られるかの相場観がつかめます。ただしサイト型は、書類も面接対策も自分で仕上げる必要があります。下の「採用側が本当に見ているポイント」を、そのままチェックリストとして使ってください。
登録から内定までの流れと、損しない使い方
エージェント型を例に、登録から内定までの流れと、各ステップで損をしないコツをまとめておきます。
- 登録(1〜3分):基本情報と保有資格を入力します。この時点では履歴書は不要です。
- 初回ヒアリング:ここが一番大事です。希望条件(給与・休日・分野・通勤圏)は遠慮せず具体的に伝えてください。ここが曖昧だと、その後の紹介がずっとブレます。
- 求人紹介:複数社を併用していると、同じ求人が別のエージェントから紹介されることがあります。条件の提示が違うこともあるので、突き合わせて確認しましょう。
- 書類・面接:添削と面接対策は無料なので、必ず受けてください。急募の求人は、面接に早くたどり着いた候補者から決まっていきます。日程を先延ばしにしないのが得です。
- 内定・条件交渉:給与・休日・残業などの条件は、口頭だけでなく労働条件通知書などの書面で確認してから返事をしてください。
採用側の本音を最後にひとつ。施設側は複数のエージェントに同時に求人を出しています。つまり「どのサービス経由で応募したか」より、「どれだけ早く、どれだけ準備をして面接に来るか」のほうが、採用の結果にはずっと効きます。
採用側が本当に見ているポイント3つ
せっかくなので、応募書類を受け取る側として、いつも見ているところを書いておきます。
- 転職理由と志望動機がつながっているか:「前職の不満」と「うちを選ぶ理由」が一本の線になっている書類は強いです。不満だけ、熱意だけ、はどちらも弱い。
- 経験年数より「何をしてきたか」:10年目でも「◯年目です」しか語れない人より、3年目でも「回復期で歩行再建を中心にやってきました」と言える人が選ばれます。
- 条件の希望を正直に言えるか:面接で給与や休みの希望を濁す人がいますが、採用側はミスマッチが一番怖いんです。入職後に「聞いてた話と違う」となるくらいなら、最初に全部すり合わせたい。希望条件はエージェント経由でも面接でも、はっきり伝えてください。
ちなみに私自身、1回目の転職のときは志望動機がふわふわのまま面接に行って、いま思えばよく採ってもらえたなという出来です笑。受け取る側になって初めて分かることは本当に多いです。
よくある質問
- 複数のサービスに登録すると施設側にバレて印象が悪くなりませんか?
問題ありません。複数エージェントの併用は施設側も織り込み済みです。ただし、同じ施設に複数のエージェント経由で重複応募するのはトラブルの元なので、どの求人にどこ経由で応募したかは自分で管理してください。
- 在職中に登録しても大丈夫?職場に知られませんか?
大丈夫です。エージェントには守秘義務があり、あなたの同意なく現職場に情報が渡ることはありません。多くの人が在職中に情報収集から始めています。むしろ退職してから焦って探すほうが、条件面で妥協しやすくなります。
- エージェントの電話がしつこいときはどうすれば?
「連絡はメール(またはLINE)でお願いします」「連絡は週1回まで」と具体的に伝えれば、ほとんどの場合は収まります。それでも改善しなければ担当変更か退会を。合わないサービスに義理立てする必要はまったくありません。
- 紹介された求人を断り続けたら、対応が悪くなりませんか?
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なりません。合わない求人を無理に受けるほうが、あなたにも担当者にも損です。断るときは「◯◯の条件が合わないので見送ります。△△に近い求人があればお願いします」のように、理由をセットで伝えると次の紹介の精度が上がります。
- 登録したあとに退会したくなったら、どうすればいいですか?
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どのサービスも、メールや問い合わせフォームから退会できます。「転職活動を終了したため、退会と登録個人情報の削除をお願いします」と一文送れば十分です。強い引き止めが続くことは、まずありません。
- 転職するか決めていない段階で登録してもいいですか?
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問題ありません。情報収集段階での登録は、エージェント側も織り込み済みです。ただ、エージェント型は電話サポートが手厚いぶん連絡も増えるので、様子見の段階ならジョブメドレーのようなサイト型から始めるほうが気楽です。
まとめ:サービス選びより「準備」で差がつきます
どのサービスも一長一短で、正直に言えば「どれに登録したか」で転職の結果が決まるわけではありません。差がつくのは、転職理由の整理、希望条件の明確化、書類の完成度という準備の部分です。サービスはそのための道具として、タイプの違うものを2〜3個併用してください。
なお、「転職するほどではないけど収入を増やしたい」という人は、副業という選択肢もあります。理学療法士におすすめの副業8選で詳しく書いているので、あわせてどうぞ。
